高木裕「今のピアノでショパンは弾けない」(日経プレミアシリーズ) のはショパン没後に大改良が加えられたため。西洋では聞き手も弾き手も少なくなった西洋古典音楽は維持できるだろうか。

2015年の宮下奈都「羊と鋼の森」(文春文庫)を読んだときに、主人公の調律師見習いの青年はその先をどう作るのかわからないと思ったが、彼にふさわしいキャリアが本書にあった。思った通り、会社の用意したルートから外れて、より上の仕事を求め海外に行く。技術を磨いたのちに帰国するも地元に戻らない。仕事の相手は一…