石井宏「反音楽史 さらば、ベートーヴェン」(新潮社)-1 18世紀はイタリア音楽の時代。J.S.バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンは人気がない田舎の音楽家。

「反音楽史」とは面妖な。何に対する「反」であるのか、それとも「反音楽」なるジャンルの歴史であるか。その疑問はすぐに解氷するのであって、すなわち日本の音楽の授業でならう音楽の歴史(J.S.バッハが音楽の父でそのあとハイドン-モーツァルト-ベートーヴェンと発展、音楽の都はウィーン、声楽よりも器楽が重要、ソナ…