アルベール・カミュ「シーシュポスの神話」(新潮文庫)-1 自意識過剰でフラフラしている青年が不満をぶちまけた哲学風な独り言

アルベール・カミュくん(1913年生まれ)が20代の後半に書いた哲学風エッセイ。同じ年齢で読んだら感動しただろうが、初老で読むとその稚気がほほえましく、性急さに落ち着けよと言いたくなり、「ぼくが、ぼくは、ぼくの、ぼくを」が頻出する語り口にそういう文体でしか書けない時期があったなあと懐かしく感じる。フッサ…