高橋正衛「2.26事件」(中公新書) 天皇親政を夢見た青年将校が起こした浅はかな政府要人暗殺テロ。事件後の軍部独裁国家は彼らの計画を採用して戦争にまい進する。

1965年に出版された本書の冒頭では、この事件に参加した兵士たちが集まって死刑になったものを供養する催しの様子が書かれる。なるほど、1936年におきた政府要人暗殺事件に関与した兵士は20歳そこそこだとすると、1965年には50代半ばを超えたくらいか。存命なのも当然。のちに生まれた俺らのようなものは、1945年に大…