松本健一「ドストエフスキーと日本人」(レグルス文庫、朝日選書) 社会情勢が悪化すると日本人はドストエフスキーを読む。特に「地下室の手記」と「罪と罰」。

ドストエフスキーが亡くなったのは1881年。その時から、日本人はドストエフスキーに関心を寄せていた。とはいえ、幕末から明治初期の日本人はおもに英語のテキストを読んでいて、ロシア語に関心を持つものはほとんどいなかった。にもかかわらずなぜ関心をもったかというと、ドスト氏没後のころには英訳が出ていたので、そ…