イワン・ツルゲーネフ「父と子」(新潮文庫)-2 主張がなく政治参加もしない若者のニヒリズム

ドスト氏の「悪霊」1871年はツルゲーネフの「父と子」1862年によく似ているなあ、と思いついた。そこで、同じ新潮文庫だが工藤精一郎訳で再読した。前回の感想はリンク先。 odd-hatch.hatenablog.jp まずドスト氏の言い分を聞いてみよう。「悪霊」第2部第1章のステパン氏の発言。「私はどうもツルゲーネフが腑に落ちない。…