黒岩涙香「今より三百年後の社会」(扶桑社) ウェルズ「眠れる人の目覚めるとき」の翻案。原作の悲観主義を隠して、皇帝の仁政による独裁を肯定する。

元はH・G・ウェルズの「眠れる人の目覚めるとき(When the Sleeper Wakes)」1899年の翻案。翻案の初出は1912年。解説によると、ストーリーの後半をはしょったらしい。ウェルズの小説をほぼ網羅したものではなさそうなので、涙香のアイデアとして批評することにしよう。すなわち、黒人に対する人種差別の記述があるが、こ…