【書評】川上弘美「大きな鳥にさらわれないよう」-地球の歴史を俯瞰しているような深くて大きな物語

連作短編ということでいいのだろうか。それぞれの物語はゆるやかに、しかし、緊密につながっている。この星の遠い遠い未来に始まって、さらに遠い遠い未来で終わる物語。人間由来よりも鼠由来やカンガルー由来、イルカ由来の子供たちが数多く工場で作られているという未来、設定は過激だが、不思議なことにこの未来はなん…