大井川通信
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『目羅博士』 江戸川乱歩 1931
読書会で乱歩の作品を読んでいる時、隣の席の若い女性の参加者が、『目羅博士』が好きだと言った。『目羅博士』は、かつて僕も、乱歩の短編の中で一番好きだった。読み直してみると、少しも色あせてなくて、嬉しかった。ごく短いものだが、構成も内容も文体も完璧だ。 乱歩自身と思しき作家が、閉園間際の動物園で、奇妙な…