目羅博士vs.蜘蛛女

江戸川乱歩の短編『目羅博士』(1931)が好きだったので、乱歩自身が着想を借りたと告白しているエーベェルス(1871-1943)の『蜘蛛』と読み比べてみたいとずっと思っていた。 エーベェルスの短編も、実際に起きたパリのホテルでの連続殺人事件を下敷きにしたもののようだが、実際に読むと、小説の設定のかなりの部分を乱…