大井川通信
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『孤島の鬼』 江戸川乱歩 1930
乱歩の長編の中でも評価の高いこの作品を、僕はまだ学生の頃に読んだ記憶がある。恐ろしくて重苦しい作品という印象だけは強く残っている。なるほど恋人や友人のあっけない死や、たくさんのおどろおどろしい仕掛けがあって、若いころの僕には刺激が強すぎたのだろう。 今読むと、娯楽作品として読める分だけ、思ったより「…