『チリ夜想曲』ロベルト・ボラーニョ|悪は沈黙する

チリよ、チリ。いったいどうしてお前はそんなに変わることができたのだ?…お前はいったい何をされたのだ? チリ人は狂ってしまったのか? 誰が悪いのだ? ――ロベルト・ボラーニョ『チリ夜想曲』 沈黙、語りたくなかったもの ボラーニョの小説はドーナツの穴のようなものだ。穴ではない周辺部のドーナツを描くことで、最後…