ボヘミアの海岸線
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『惨憺たる光』ペク・スリン|心のやわらかい場所につながる薄闇
決して死にたかったわけではない。ただ闇のほうがなじみ深かっただけ。 ーーペク・スリン『惨憺たる光』 「光」という単語は、明るさ、まぶしさ、あたたかさ、希望や展望、といった前向きな印象で語られることが多いが、本書における「光」は、惨憺たるもの、人を呆然とさせるものとして描かれる。それはおそらく炎天下の…