『ホール』ピョン・ヘヨン|人生の真ん中にあいた大穴

ずっと前から、ひょっとすると人生というものがわかりかけた気がした頃から、生を営んできたと同時に、失ってきたのかもしれない。時々こんな気分になった。何事も充実しているが、しきりに何かを失っているような。 ーーピョン・ヘヨン『ホール』 「穴」のことを考える時、穴の先にあるものを想像する。風穴やトンネルの…