瀬崎祐詩集『水分れ、そして水隠れ』(思潮社、2022.7.4)感想

みわかれ、みがくれ、と読ませる。見別れ、身別れ……山の下を流れ地上に沁み出し、別れてゆく水。水に流れゆく先の選択肢はあるのだろうか。みずは「見ず」という言葉にもつながる。山道や野辺の田舎道を連想させる表紙写真は、著者の撮影。砂利や土、野草が生えた前景のみが鮮明で、“その先”は濃い霧に包まれている。 詩集…