パリの異邦人――山田稔

此処一月許り身辺多忙を極め、静軒居士が江戸繁盛記の序に記す「枕辺有る所の雑書中記するに堪ゆるの事を鈔し以つて悶を遣る」事能はず。然れば曾て録せし漫文をハアドデイスクより取出だし以つて其の悶を遣らしめん而已。 パリの異邦人――山田稔 昨年暮れに出た島京子のエッセイ集『書いたものは残る――忘れ得ぬ人々』*1は…