《妻》はどこにいるのか――村上春樹/濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』評
書評とは何か。それは「書物の小さな変異株」を作ることである。書物はウイルスと同じく、変異によって拡大する。 批評家の福嶋亮大が、文芸書と思想書を横断し、それらの小さな変異株を配列しながら、21世紀世界の「現在地」を浮かび上がらせようとする新連載「書物という名のウイルス」。第1回では、濱口竜介監…