蒼井優が体現する“ギャップ”と闘う人間像 『スパイの妻』で発揮された、そのクラシカルな佇まい
“明るいとか明るくない”はない 蒼井優の代表作の一本といえる『百万円と苦虫女』(タナダユキ監督/2008年)は、鈴子(蒼井優)の出所シーンから始まる。「シャバだ~」と、久々の外気を吸い込み、友人家族の出迎えもなく、一人出所する鈴子。まだあどけなさすら感じさせる容姿もあいまって、とても刑期を終えた女…