つまりはただ、眠たかったのである。

近頃、少しずつ暑くなってきたせいか、夏至が近くて朝が早いせいか、やや寝つきが悪くなっていた。 わりと快調だったこともあり、睡眠時間も多少減らしていた。 六月の湿度の高い暗い雨の夜。 布団の中で眠れないことに気付いたが、本を読もうというモードでもない。 どうにも寝ていられないような気がしてむくっと起き出…