墓地をめぐる奇妙な話

しばしば歩きに行く、お気に入りの墓地がある。 新しい墓地のように整理された区画に加工石が整然と並んでるのではなく、いずれも崩れかけた自然石が傾いたりよそ見したりしながら寄り添っている風景が、濃厚な時の流れを感じさせる貴重な場所である。 墓地の中心には小さな小屋があって、片腕の欠けた阿弥陀如来がいるの…