倉本一宏著「藤原道長「御堂関白記」を読む」(講談社学術文庫)

古今東西、権力者自身が筆を手に取り文章を残すこと、その文章が現在まで伝わることは珍しくない。その意味で、御堂関白記もそうした権力者の文章のうちの一つであるといえる。 しかし、御堂関白記には他と大きな違いが二つある。 一つは私的な文章であるということ。 もう一つは直筆が現存しているということ。 これによ…