繁田信一著「殴り合う貴族たち」(角川ソフィア文庫)

平安貴族に対するイメージを源氏物語や枕草子などの古典から作り出すと、そこには雅やかなイメージが生み出される。平安貴族の悪事についてイメージすることがあったとしても、そこでの悪事とは影から犯罪を指図するという図式での悪事であり、平安貴族本人が悪事に手を染めるというイメージは生まれづらい。 だが、現実の…