まだ、何も、わからない。

僕がこの島に来てあらかた半年たったある夕方のことだ。ランゲルハンス氏の帆船が帰って来て、島の周囲を大きな輪をえがいて廻っているという噂で街はもち切りだった。タクシーに乗って浜に出てみると、既に沢山の人びとが沖を指差して声高に話し合っていた。なるほど水平線に小さな船のかげがあって、ゆっくり動いていた…