母親の介護編㊹蜩のなく季節

私の母親が介護の末に亡くなったのは夏の終わりを告げる蜩のなく季節でした。 毎年蜩の鳴き声を聞くたびに、母親が病床で訴えていた『早く家に帰りたい、寂しい』というか細い声を思い出します。 あんなに元気だった母親が病気をきっかけにみるみるやせ衰えて弱っていった様を、蜩の鳴き声とともに蘇る。