宮内悠介『偶然の聖地』

世界にはバグがある。その中でも特大のバグであるイシュクト山を巡る物語。 エッセイと小説の中間のような作品を、という依頼で書き始めた連載をまとめたものだということだが、どう見てもSF小説 といって、エッセイ的な要素がないわけではなくて、それは膨大な注釈によって補われている。 この作品の舞台は、主にパキスタ…