1-1 未来からきたヒーロー

第一章 六月の邂逅 「おばあちゃあん、配達行ってきますー!」 六月の暑い日のことだった。いつものように仏壇に手を合わせてから、結女は店に向かって声をかけた。夕方から夜にかけては、寿司屋の配達のバイトの時間だ。 高校生である結女は、育ての親である祖母、祖父が営んでいる寿司屋で配達のアルバイトをしていた。…