源氏物語に見る病と怨念と(露伴翁座談)

・ 医療の道と源氏物語と 奈良朝以前よりすでに医療の道ようやくに開けたるは言うまでも無く、 薬剤と技術とをもって人の疾病にむかいて対治の法を講じたりしは、そ の跡いと明らかなり。されど医事の文学にあらわれたるは、なお少し。 降りて平安朝に至りても、歴史を読みて世を観れば、医療の道のいよい よ行われたるを…