実力主義の時代としての日本中世

相澤(2012)によれば、現行の日本史教科書では、院政(後三条天皇の親政)から中世の記述が始まっている。以前は「中世は源平の争乱に始まる武士の時代」と考えられていたが、それよりも以前に中世の始まりを設定している。その理由は、朝廷による中央集権的な全国支配が機能不全に陥り、実力社会に移行したことをもって、…