「あなたへのダイアリー」 (第二章 きみ寿司)-1-

きみ寿司 東北の春は遅い。しかし、いったん春が訪れると、あたりの風景は一変する。 アフリカを発って丸二日、日本に着いた亮介は、今、宮城へと向かう電車の中にいた。そこは、亮介の生まれ故郷であり、牧村貴美子とともに短い青春時代を過ごした思い出の場所でもある。四月も、もう終わろうとしているこの時期、亮介が…