「あなたへのダイアリー」 (第二章 きみ寿司)-3-

貴美子が亮介のことを初めて知ったのは、貴美子が転校して来てから三か月ほどが経った頃、長く厳しかった冬もようやく終わりを告げ、なごり雪が、土の中から顔を出したばかりのふきのとうを「まだ早い」と覆っては見たものの、すぐに溶けて無くなった、三月に入って最初の日曜日のことだった。 転校してきてすぐ、自分の男…