「あなたへのダイアリー」 (第四章 おやしろ祭)-2-

「いらっしゃい! あっ、毎度どうも」 亮介が店に入ってきたことに気が付き、背中を向けて鍋を転がしていた大将がこちらを振り向いた。 「こ、こんばんは」 亮介は少し気まずそうに、店の入口に置いてある上着掛けに自分の上着をかけてからカウンターの一番奥に座った。店の中をぐるりと見やると、奥の座敷にはすでに先客…