「あなたへのダイアリー」 (第五章 不信)-2-

例年より五日ほど早く東北地方が梅雨入りをしたその日に、優子の長かった試験勉強もようやく一段落した。亮介は優子と約束した通り、試験が終わった翌日の土曜日に、待ち合わせ場所であるフクベェがいる商店街に向かって歩いていた。そして、歩きながらあの日以来、優子がなぜフクベェという名前を知っていたのか、結局、…