「あなたへのダイアリー」 (第八章 夏まつり)-5-

翌日の夕方、キン婆が優子を探して病院の屋上にやって来ると、そこにはひとり、夕日を見つめている優子の姿があった。 「やっぱりここにいたか。いいのか、亮介の傍にいなくて」 「ええ、亮介さんの顔を見ていたら、辛くなっちゃって……」 後ろから近付いてきたキン婆のその問いかけに、自分の泣き顔を見られたくなかった優…