第1話 キミなにもの? シンダンシですっ!

やりにくい。とてもやりにくい。「はい、お待たせしました」 僕は目の前のお客さんにタピオカドリンクのカップを渡す。視界の端には、やりにくさの正体が……。 二十歳くらいだろう女の子が、さっきからこちらをじっと見つめているのだ。僕のことを見つめているとしか思えない。だって、あの女の子の視界に人間と言ったら、…