初頴日記故事・6 董永

漢の代の董永字は延年といへり 貧しき中にて父死しければ 身を売りて身のしろの銭にて 棺槨を買ひ 父の葬をなし それより主人のもとへ行 償工と人夫てまの役を償ひにゆかんとする道にて 一人の女にあひたり この女董永が妻とならんといひしゆへ つれだちて主人の家にゆきしに 主人のいへるは 絹三百疋を織りたらんとき 汝…