初頴日記故事・21 王ほう

晋の王ホウは字を偉元といへり 母の存生のころ うまれつきかみなりをきらひたり 母死して山林の中にほうふりて後 風雨にあひ 雷の声を聞ごとに とくはしりて 墓所にゆき ひざまづき拝をなし 泣て告ていへるは ホウここにおれり母人おそれたまふ事なかれといひしとなり ――― 蒙求に晋書を引いて伝あり 王ホウが父は名は儀と…