「異国人化」

現代思想といっても、やはり西洋においては聖書は思索の一つの拠点なのだろう。ジョルジョ・アガンベンの『アウシュヴィッツの残りのもの』(月曜社)には、聖書に触れた重要な箇所がある。 言葉を使うという行為が、詩的創造の行為と本質的には同じ脱主体化の体験を伴なうことだと述べてから、アガンベンはパウロの「コリ…