唇はゆりの花:多部未華子の『サロメ』観劇

わたしの恋しい人は 赤銅色に輝き、ひときわ目立つ。 頭は金、純金で 髪はふさふさと、烏の羽のように黒い。 目は水のほとりの鳩 乳で身を洗い、形よく座っている。 頬は香り草の花床、かぐわしく茂っている。 唇はゆりの花、ミルラのしずくを滴らせる。 手はタルシシュの珠玉をはめた金の円筒 胸はサファイアをちりばめた…