三島由紀夫と北一輝

松本健一氏の『三島由紀夫の二・二六事件』(文春新書)は、二・二六事件が起こって(1936年)から69年目にあたる2005年11月に刊行されている。事件の年11歳の少年だった三島由紀夫と、事件の思想的指導者北一輝の天皇観、そしてそれらを拒絶した昭和天皇の立場と決断について、「この三者の緊張関係は昭和史への大いなる…