五ノ分火事まえしらせの事(会津若松市)

1 概要 享保八年(1723年)4月初めのことである。その日は小雨が降り、月明かりのない暗い夜だった。 大町に住む町人が、用事があり上一ノ町を下り行くと、一ノ町中程から白い浴衣を頭に被った女が、かなりの隔たりはあるが、先に立ち行くことに気が付いた。 この女が大町札の辻辺りに来た時、後ろから見ると、被っている…