『ドグラ・マグラ』/夢野久作《感想》「胎児の夢」はだれの夢? 幻魔術から逃れられる日は訪れるのか……??

すなわち、この論文『胎児の夢』の一篇は、吾々の頭脳の記録に残っていない、みごもり時代の吾々の夢の内容を、吾々成人の肉体、及および、精神の到る処に残存し、充満している無量無数の遺跡によって推定するという、最も嶄新ざんしんな学術の芽生えでなければならぬ。 『ドグラ...