なぜ君は残業するのか

22時を前にして、ようやく仕事に区切りをつけ始める。実際にはつけようがない。しかし、今日はもうここにはいられない。幸せなことに、私はまだ法にも労働組合にも守られていた。 昼から降っていた雨は、いつの間にか止んでいたらしい。まだ濡れている地面を速歩きで進んでいく。社屋から出たからには、一秒でも早く家に…