お疲れ様

お参りに行こうか、と彼はいう。夜9時の少し雨の降るオフィス街。黙ってその方向に歩みを変えた。 その神社は雑居ビルの合間にポツンと存在する。通りから参道が5メートルほどあり、神社自体の面積は3メートル角くらいだろう。神社といっても祠程度だ。周囲を灰色の壁に囲まれ、自由な空を奪われ、こんなところに神がいる…