トイレの番人

「三条さーん、だいじょぶ?」 トイレのドアを叩く音と同時に声がした。三条(さんじょう)鈴花(すずか)の寮における同居人、代々木の声だった。 寮とは言っても、実質は普通のアパートの1室である。いちおう、ひとりに対し1部屋が割り当てられるため、三条が住む3DKのアパートの部屋には、三条含め3人の女性が住んで…