難解な手紙

「拝啓 厳寒之折、小折さんに於かれましては益々御清栄の事とお慶び申し上げます」その文面を見た瞬間、小折(こおり)尚(なお)の動きは止まった。何だこれは。本当に俺に宛てた手紙か?小折はその文章が書かれた手紙を、まじまじと見つめた。 寮であるアパートのポストに手紙が入っていた。品のよい、淡い色合いの封筒に書…