夢咲音楽館
id:yumesakisuzu
【短編小説】嘘松
「ねえねえ、兄さん!」 弟が何やら困ったような様子で私を呼んでいる。 「兄さん、ぼく悩みがあるんだ。聞いてくれないかい?」 弟が私に悩みを相談してくるなんて珍しい、雨でも降りそうなくらいだ。とはいえおバカで呑気ものな弟のことだ。どうせくだらない話だろう。 「明日、体育祭なんだけどどうしても休みたくて…、…