【源氏物語 1 第一帖 桐壺1】💠光源氏の父君、母君 桐壺帝と桐壺の更衣の美しくも哀しい愛

どの天皇様の御代《みよ》であったか、 女御《にょご》とか更衣《こうい》とかいわれる後宮がおおぜいいた中に、 最上の貴族出身ではないが 深い御愛寵《あいちょう》を得ている人があった。 最初から自分こそはという自信と、 親兄弟の勢力に恃《たの》む所があって 宮中にはいった女御たちからは失敬な女としてねたまれ…