紀伊守の屋敷に忍び込む【源氏物語 30 第3帖 空蝉1】女君の所に継娘が遊びにきている。源氏は小君の案内で紀伊守の屋敷に忍び込み 女君の座敷の奥を見る

眠れない源氏は、 「私はこんなにまで人から冷淡にされたことは これまでないのだから、 今晩はじめて人生は悲しいものだと教えられた。 恥ずかしくて生きていられない気がする」 などと言うのを、 小君《こぎみ》は聞いて涙さえもこぼしていた。 非常にかわいく源氏は思った。 思いなしか手あたりの小柄なからだ、 そう長…