物思いに沈む六条御息所【源氏物語 39 第4帖 夕顔5】源氏 中将(女房)にちょっかいを出す。夕顔は頭中将ゆかりの女君なのか?

源氏よりは八歳上の二十五であったから、 不似合いな相手と恋に堕《お》ちて、 すぐにまた愛されぬ物思いに沈む運命なのだろうかと、 待ち明かしてしまう夜などには 煩悶《はんもん》することが多かった。 霧の濃くおりた朝、帰りをそそのかされて、 ねむそうなふうで 歎息《たんそく》をしながら源氏が出て行くのを、 貴…