源氏は夕顔に夢中になる【源氏物語 40 第4帖 夕顔 6】惟光の努力で 源氏は身分を隠し 夕顔の女君に通うようになる。鷹揚で不思議な魅力に源氏は夢中になる

「確かにその車の主が知りたいものだ」 もしかすれば それは頭中将が 忘られないように話した 常夏《とこなつ》の歌の女ではないかと思った源氏の、 も少しよく探りたいらしい顔色を見た惟光《これみつ》は、 「われわれ仲間の恋と見せかけておきまして、 実はその上に御主人のいらっしゃることも こちらは承知しているの…